2012年10月21日日曜日

アイアン・スカイを観てきた

『アイアン・スカイ』は順次公開ということで関東圏や,関西の主要都市に比べると遅い公開開始だった.私は劇場で集中してゆったりと観るのが好きなので,終演が深夜になるような時間帯に行く事が多い.昨日に観たのだが,観終わって深夜に帰り道を自転車で疾走していた.たぶん変な脳汁が出ていたに違いない.

たまらないB級っぽさ

もともとはフィンランドのインディーズ作品として製作開始となるも,予算が足りずに世界中のファンから資金を募って完成させたという話題となる要素をいくつも持った作品だ.

映画『アイアン・スカイ』オフィシャルサイト

ストーリーの主旨は単純明快で「ナチスは滅んでいなかった.いまさら月から攻めてきた」という内容だ.扱うテーマがテーマなら,描き方も描き方である.戦闘シーンや月基地など随所で格好がいいのに,わざわざB級っぽさを残している.冒頭でアメリカの月探査団が,頭一発撃ちぬかれるシーンなどはジョーズを思わせるような,使い古されたコントのノリである.だがそこがいい.


仕込まれたネタの数々

これでもかというくらいツッコミどころが満載で,叶うならば劇場で爆笑して観たいものだ.実際に笑いが堪えられない人もいたようで,私もつられて声を上げてしまうこともしばしばだった.

月に渡ったナチスの科学力,特に情報技術が盛蕎麦コンピュータから何ら進歩していなかったりする.彼らの啓蒙に使う教材はチャップリンの独裁者なのだが,恣意的な編集を加えた10分Verだ.これは後に125分Verを観ることで,ヒロインが意識を変えるという伏線にもなっている.

宇宙艦隊を秘密裏に各国が製造していたり,条約を無視して武装(守って非武装なのはフィンランドだけ(スウェーデンだったかな?))していたり,UFOは北朝鮮が開発したと主張(もちろん偉大なる将軍様がである)したりする.

アメリカ大統領は完全にサラ・ペイリンに似せている.ナチスの国家社会主義を唱えて強いアメリカを目指したり,戦争を望んでいたりと強い風刺にも取れる.笑ったのが「アメリカがまともに勝ったのはナチス相手だけ」という部分だったり.

あとはいくつか気になる部分もあった.例えば月面シーンでは全体的に重力が地球の1/6程のはずとか.ナチスの科学水準は,まだまだゼンマイと歯車をベルトで伝える仕様なのだが,航空・航宙技術だけは凄まじく進歩しているとか.奴らの機体は易々と大気圏を突破してくるとか.でもその辺は気にしてはいけないのだ.

ヒロインがセクシーかつ可愛い

全国各地の軍服好き,スーツ好きには好評なのではないか.ヒロインのJulia Dietzeはスポーツが好きな健康的美人だ.月面での正式なナチス軍服,地球でのスーツ+コルセット,革のジャケットなどがどれも似合っていて格好いい.

彼女の他の作品も観てみたい.一気に惚れ込んでしまった.

ポロリもあるよ!だからPG-12+なのかな?
おそらく扱うテーマに対して慎重になったことと,Fワードの連発,エッチなのはいけないと思いますが理由だと思う.

私はBDが出たら買います.もしかしたら続編も?

エンドロールが月面のヘリウム3という資源争いに端を発した「地球は核の炎に包まれた」EDだったり,月からズームアウトしていくと火星が見えたりと,続編への期待が高まる.

それにしても主人公&ヒロインがこれから月面で恋愛をしていくのだと思うけど,月面人口が教室1つ分な可能性がある.そして地球が壊滅してそうな雰囲気だった.そうなると人類は教室にしか残っていなさそうだし,最後の「やることは多そうね」というセリフは含む意味が広そうだ.

もし続編を作るのであればカンパしたいし,早くBDが出る日を待っている.

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